会社やチーム、上司や部下。仕事の進め方で不満に思う事ありませんか?
「いや、そうじゃないんだよなぁ」
「なんで勝手にやるんだよ。一旦こっちに聞いてくれ」
「え?それ聞いてませんけど。今からじゃ無理ですって」
私もホントそういうの多いんですよ。チーム内は良好なんですけど、上司がね。立場の違いは理解してますが、「いや、だから」って事がとにかく多くて。
この状況は何なんだ?もうちょっと色々上手くやれないものかと思いながら、手に取ったのがこの本。
「宇宙兄弟とFFS理論が教えてくれる あなたの知らないあなたの強み」
FFS理論は知らなかったけど、目次は非常に自分の考えていた事と近かったので購入してみました。自己分析にもおすすめです。
著者情報
著者:古野俊幸
新聞社・フリージャーナリスト・出版社を経てFFS(Five Factors and Stress )理論を活用した組織・人材活性化支援を目的とした会社を設立。
チーム分析と編成に携わり、60万人、約6万チームの実績を誇るチームビルディングの第一人者。
ストレス理論を元にしたFFS理論はソニー、リクルートグループ、LINEなどの企業でも導入実績がある。
本書の概要
FFS理論の5つの因子である「凝縮性」「受容性」「弁別性」「拡散性」「保全性」で個人の特性を診断。よくありがちな「タイプ分け」ではなく、人は全ての因子を持っているが前提。
その中でも優先的に発揮される因子によって考え方や人間関係の対応が変わるとしている。
この診断によって「自己理解と他社理解」をすることで個性(強み)を生かしたチームや組織作りをするきっかけになる事を目的としています。
「宇宙兄弟」を題材としたのは、様々な個性のキャラクターが登場するだけでなく、一人一人のエピソードが細かく描写されていること。
また主人公が自分や仲間の特性を理解し、どう成長して人間関係を作っていくかを学ぶことが出来るというのが理由だそうです。
自己理解(1章)で強みの活かし方、他社理解(2章)で別因子の理解と接し方。組織理解(3章)で特性ごとの目指すリーダー像について。
人間関係において相手の特性因子を理解し、誤解やトラブルを避けて良好な関係を構築するということを、「宇宙兄弟」の各シーンで追いながら、会社での「あるある」な事例を織り交ぜて解説
読み終えて
読み易さは?
あとがき含め377ページ。マンガのエピソードシーンも多数挿入されています。
様々なキャラクターを通して人の個性や人間関係を具体的に分析していくので読み易い。自己分析にも役立つだろう。
自分や他人は何にストレスを感じるのか?をFFS理論で結構深堀してくれる。無理やりこじつける事もなく、納得できた。
ちなみに私はマンガは読んでおらず、映画のみ観ましたが問題ないです。
読みながら何となく自分の周りにいる人達の因子もイメージ出来て面白い。私の特性でもある保全性・受容性を軸にした話が多かった印象。
但しこれは日本人の多くが保全性・受容性が高く、また「宇宙兄弟」の主人公もその因子を強く発揮し、リーダーへ成長する姿をメインに描いたマンガだからだと思われる。
自己診断できます
自己診断(15問)のページがありますが、購入者特典で専用サイトで80問の診断と似ている因子を持つキャラクターが見れます。
サイトでの診断が1回しか出来ないのは残念。ちなみに私はアンディ・タイラー。もうちょっとメイン寄りのキャラが良かったな。。。
私は日本人の多数派、普通のおじさんでした(笑)
会社「あるある」に共感
購入したのは、ふと手に取って目次を見てでした。見出しってホント大事ですね。思わず読みたくなる見出しをいくつか紹介すます。
日本人の6割は「最初の一歩」が踏み出せない
割としっかり情報収集と準備する方なので、刺さりました。
世の中には「すぐに動く人」と「なかなか動かない人」がいます。「すぐに動く人」のほうが「できる人」に思われがちですが、FFS理論では両者に優劣はなく、個性の違いがあるだけです。その違いは何に由来するのか、また、「なかなか動かない人」がチャンスを逃さないためにはどうすべきか
「決められない」のは立派な個性であり武器である
仲間意識が強いチーム内で違った意見をまとめるのって、割としんどいと思ってたら。。
決めるという行為自体が「受容性」の高い人には強いストレスを生み、その人の個性を殺す行為だからです。「決められない人」が取るべき行動は、無理して決めることではありません。「受容性」の強みを活かし決めずともチームをゴールに導く最強の方法とは?
「無茶振り、丸投げ上司」に出合ってしまった
出会ってる!でも「拡散性」の上司ではなく、「受容性」の上司で、引き受けて来ちゃう方でしたが。。
外交的な「拡散性」と内向的な「保全性」。正反対の性質を持ちます。それゆえ、「拡散性」の高い上司が「よかれ」と思って行う行動は「保全性」の高い部下には劇薬そのもの
FFS理論について考えた
とても興味深いが会社全体として取り組むには道のりが長いと感じた。
後天的に備わる(伸びる)因子もあるので、診断を繰り返し、人材育成プランを長期的に継続か。退職や新人入社を繰り返すのが組織なので大変そう。
その一方で短期・中期的なプロジェクトは、技術面だけではなく、特性因子を考慮しつつチーム単位で編成や配置するリーダーやメンバーを組む事は可能だと思う。
もっとも、人員的な余裕や各因子を持つ人材の人数によるとは思うけど。
リーダーは必要か?
受容性(気配り・柔軟な対応力)と保全性(計画性・経験から得た引き出しの多さ)の比率が高い日本人に向けたリーダー像を提唱していた。
簡単に言えば他の因子の人間をチームに入れ、考えを理解し活躍させることだ。確かにそうだと思う。
しかし、私は必ずしもリーダーは必要ないのではないか?読み終えてそう思った。
むしろ1つのプロジェクトの中でもその場その場でチームの誰かが推進力となり、先頭に立って進めても良いのかもしれない。
時に慎重に。時にリスクをとって。上とか下とか関係なく。というのは理想形の1つか。対外的に名目上のリーダー(まとめ役)がいれば成立する気がする。
久しぶりに読み返したくなる本だった。仕事でのコミュニケーションに一役買いそうです。本書を読んだ後、マンガが読みたくなるのでご注意を。
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